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乳幼児教育とは環境づくり

乳幼児教育と聞くと、早期教育をイメージしてしまいませんか。動きたい、遊びたい盛りに机に向かって小学生の問題を解かせることに何の意味があるのか。そんな風に思っていたこともあります。

でも、モンテッソーリ教師アシスタントとして教育心理や発達真理を学んでなるほど!と思ったことがあります。それは、子ども(乳幼児)と大人の学び方は全く違うということでした。

大人は学ぶ目的を決め、そのために必要なことを教材や教師から学びます。一方、子どもは何を学ぶか、どう学ぶかを選ばびません。周囲の環境から印象を吸収し、写真のように全て自分のものとしていくのです。これをモンテッソーリ教育では「吸収精神(absorbent mind)」と呼びます。

ですから、乳幼児教育とは乳幼児に吸収してほしい良い環境を大人が整えることを意味するのです。そして、その前提には子どもを自立した個人とみる子ども観がありました。

少し話が戻りますが、私が子どもの環境形成に関わりたいと思ったきっかけは、国際モンテッソーリ協会(AMI)公認教師で国分寺に暮らす深津高子さんとの出会いでした。

当時、親子が緩やかな顔見知りを作る場づくりを始めたいと思い、友人の紹介で深津さんに相談した時のこと。「子どもはキッズスペースで遊ぶだけ、食事や配膳は全てお店や親にお任せ」というやり方に疑問を示され、子どもとともに場を作る、その活動自体が子どもの成長にもなる、というアイデアを頂いたのでした。

もともと子どもには一人でできる力が備わっている。子どもは「空っぽのバケツ」ではなく可能性をたくさん秘めた言わば「球根」という子ども観。大人が先回りしてやってしまうのではなく、やり方を丁寧に見せる事で子どもは自分でできる。乳幼児は大人がお世話するもの、という先入観が自分にあったことを気付かされました。

そして企画したお料理会。調理=包丁や火を使うという思い込みから解き放たれ、料理を作る工程を丁寧に分解していきました。そして、2歳からできる調理イベントができたのです。

子ども達は調理だけでなく、場を作る上でも強力な仲間。受付やテーブルの準備、張り紙づくりなど、たくさんの出番と活躍の場が生まれました。子ども達の誇らしげなこと!

子どもの一人でできる力を信じること、物の高さや大きさ、材質など、子ども目線で使いやすく動きやすい環境を整えることで、子ども達がどんどん一人でできるようになり、自信を持っていく。子どもの力を尊重することは、結果的に、親が手や口を出すことが減り、子どもが楽しく遊んでいる間に、自分の時間が持てるようになることを自分の子どもや地域の子どもとの関わりで実感し、子育てがグンと楽になりました。

モンテッソーリ教育は「いのちが育つお手伝い」とも言われ、子どもは独立した個人と見ます。では親や大人の役割は?私が学んだことは、子どもを教え、育てようと頑張ることよりも、子どもが動きやすい環境を作り、見守る事が大事だという事。

私たち親はついやりすぎてしまうようです。むしろ、「言わない」「やらない」「先回りしない」。これが意外と実践が難しいのですが・・・。でもその方が子どもの自立心やモチベーションは高まります。

子どもを自立した存在とみる子ども観と大人の役割は環境づくりという乳幼児教育の考え方。これを柱にコミュニティづくりを実践していくことで、人生の土台となる乳幼児期の子育てについて親も周囲の大人も少し肩の力を抜いて子どもに関われると感じています。

子どもwelcome!(いいね!)と感じられるポジティブな社会に向けて!

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